老犬がご飯を食べてくれない…主な原因と適切な対処法を解説

老犬がご飯を食べてくれない…主な原因と適切な対処法を解説

犬も人間も歳を取ると、食事に対する執着が薄れてくるのは珍しいことではありません。けれども、「老犬になったからご飯を食べなくなったのは仕方ない」なんて楽観的な気持ちになどなれるわけもなく、むしろ、「どうしてご飯を食べてくれないんだろう?」と不安になったり心配になります。老犬がご飯を食べないのは、一体なにが原因なのでしょうか?まずは原因を探り、それから適切な対処法を考えてみましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

老犬の定義

ソファー眠る老犬

年齢

犬の平均寿命は、最近の獣医学の進歩や栄養状態、飼育環境の改善によって30年前よりも倍に伸び、現在では平均約15歳と言われています。そして、犬がいわゆる「シニア期」と言われる老齢に差し掛かるのは、約10歳前後とされています。けれども、犬は人間と違って犬種によって、加齢のスピードに差があります。

例えば、大型犬の「グレートデン」は特に短命で、平均寿命は一般的な犬の寿命の約半分の6~9歳です。ただし、グレートデンほどではないにしろ、大きな体を持つゴールデンリトリバーやラブラドールリトリバ

ーの平均寿命は、10~12歳なので、単純に大型犬だから寿命が短いという訳ではありません。このように、「犬のシニア期」は犬種によって多少の差異があります。ですから、「何歳からシニア期」と決めつけるのではなく、愛犬の日々の様子を見て、シニア期に差し掛かっているかどうかを判断しましょう。

健康状態

シニア期に差し掛かると、少しづつ、眠っている時間が増えてきます。そうなると、自然に運動量も減り、内臓の新陳代謝が落ち、病気に対する抵抗力も落ちてきます。体の抵抗力が強い若い時期なら発症しなかったら皮膚炎や、内臓のトラブルも増えてきます。

若い時に与えていた食事を食べても、便秘になったり、軟便になったりといった変化も生じてきます。時に排泄が上手にできず、オネショやおもらしと言った失敗をするようにもなります。

身体的加齢の特徴

水晶体が白濁する白内障や、聴覚が衰えたり、運動不足によって筋肉も衰えて動作が緩慢になります。さらに、関節とを保護する軟骨がすり減ったことによって、関節炎も起きやすくなります。また、黒い体毛の犬なら、口の周辺が白髪になってきたり、歯肉炎などが原因で歯が抜けることもあります。

老犬がご飯を食べない原因として考えられること3つ

老犬ご飯を食べさせてもらう

固いものが食べられないから

歯肉炎や、歯槽膿漏、あるいは口腔内の粘膜に炎症などが起こっていて、固いものが食べずらくなっている可能性があります。

食欲がないから

老犬になると、特になんの疾患がなくても新陳代謝が落ち、運動量も減るため、食欲が落ちることがあります。また、内臓の機能が落ちることや、嗅覚が鈍ることによって、味覚や嗜好にも影響が出ます。そのため、今までは喜んで食べていたフードに口をつけなくなったり、食事に意欲が無くなります。

また、消化器官に疾患が生じ、食べ物を食べることで苦痛を感じるようになれば、「食べたら体調が悪くなる」と学習してしまい、食べ物を食べなくなることもあります。

ストレス

関節や歯など、体のどこかに継続的な痛みがあり、そのために常にストレスを抱え続け、食欲が減退します。

老犬がご飯を食べない時の対処法

伏せている白い犬

固いものがたべっれない時の対処法

今までドライフードを与えていたなら、まず、そのフードをお湯でふやかします。作り置きはせず、必ず、一回に与える量だけをその都度、人肌程度の温度のお湯でふやかして作ります。もし、鶏肉などのアレルギーがなければ、鶏肉を湯がいたスープでふやかすとより食欲が増すようです。

ただし、もともとアレルギー対応などの特殊なフードを与えていた場合、鶏ガラスープなどのお湯以外の水分でフードをふやかして愛犬に与える際は、必ずかかりつけの獣医さんと相談してください。アレルゲンの種類によっては使えない食材があるかもしれません。

食欲がない時の対処法

まず、獣医さんを受診し、病気に罹患しているかどうかの診断を仰ぎます。そして、なんらかの病気ならその治療をしつつ、食事に関する獣医さんの指示にも従って、食欲の回復を待ちます。特に手作りごはんを与えている飼い主さんは、ごはんに利用する食材が投薬される薬の薬効に影響を及ぼすことがあるので、より注意が必要です。

ストレスのために食欲が落ちているときの対処法

座っているチワワ

食事を食べることで体力が回復し、再び元気を取り戻すことが出来る可能性があるなら、かかりつけの獣医さんの指示に従います。けれども、もし、回復の見込みがないのであれば、愛犬が喜んで食べるものを食べたいだけ与えて、愛犬の心を満足させてあげるのも愛情といえます。

また、歩いて散歩に行くのが難しい容体であれば、お天気の良い日に日光浴させてあげると代謝が上がり、内臓も活発に動いて食欲がわいて、さらにストレスの解消にもなります。

まとめ

カメラを見つめる犬

野生動物は、口から食べ物が食べられなくなったら死を待つしかありません。私は、人間も同じで、もしも、自分が年老いて、口から食べ物が食べられず、食べたいとも思わなくなったら潔く死を受け入れようと思っています。けれど、これは自分自身で決めることであり、本当にその時が来た時、意思表示が出来れば叶うことです。

そして、自分ではなく、愛する家族が食べ物を食べられなくなったとしても、それが人間同士なら意思を確認することができます。けれども、愛犬が年老いて食べ物を食べられなくなった時、言葉で愛犬の感情をくみ取ることは出来ません。

だからこそ、例えそれが愛犬の苦痛を長引かせる結果になるかも知れなくても、少しでも食べてほしい、食べて元気を取り戻してほしいと願うのは当然のことです。どんなに力を尽くしても、愛犬は必ず私たちよりも早く老いて、命の終わりを迎えます。

今は、まだ若い愛犬と暮らしている飼い主さんも、一度考えてみましょう。あと、何回、この子に美味しい食事を与えることができるだろうか?と。そう考えると、愛犬がご飯を食べている姿がより一層、愛おしく感じてくるのではないでしょうか。

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