①お互いにリラックスした状態で行う
犬のマッサージをする上で、最も大切なことはマッサージをする方もされる方もリラックスするということです。「これからマッサージするぞー!!」と意気込みすぎると犬はその気配を感じ取って、緊張したりストレスを感じます。
また、犬がマッサージや体を抑えられることなどに慣れていないと抵抗感を感じてしまうことも。ストレスを感じたり精神的に落ち着かない状態でいたりすると、体の筋肉も緊張してしまいマッサージの効果が得られなくなってしまいます。
体に力が入っている状態でツボ押しをしても押し返されてしまいますし、筋肉や筋を痛める原因になってしまうこともあるのです。
そのため、愛犬のマッサージをする時は優しく声をかけてから体に触るようにしたり、犬の方からそばに寄り体を預けてきたときなどに始めるといいでしょう。
いきなりマッサージをするのではなく、まずは手のひら全体で犬の体や顔を優しくなでてあげるところから始めることをおすすめします。
②マッサージされて喜ぶ部位と苦手な部位を知る
みなさんはどこをマッサージされると気持ちいいと感じますか?デスクワークの多い人は肩や目のまわり、立ち仕事の人は脚、姿勢の悪さから痛む腰…など、人によって気持ちがいいと感じる部位は異なると思います。それは犬も同じことで、マッサージであればどこを触られてもいいというわけではありません。
喜ぶ部位
一般的に犬が気持ちいいと感じる部位は、
- 首すじ
- 肩甲骨周辺
- 後ろ足のつけ根
などだとされています。犬は自分よりも背の高い飼い主さんを見上げることが多いため、どうしても首や肩が凝りやすいと言われています。
また、犬が走ったときの勢いなどで前足に負荷がかかることが少なくありません。そのため、前足を支えている肩の周辺にも疲労が溜まりやすいのです。段差や坂道の多い場所を歩くことの多い犬やジャンプしたり飛び上がったりすることの多い犬は後ろ足のつけ根に負担がかかりやすいでしょう。
その他にも、吠えることの多い犬は頬にある丸い筋肉が張っていたり、耳を動かしたり尻尾をよく振ったりする犬はそのつけ根に負担がかかっていたりもします。
短足犬種は背中が反りやすく、腰に負担がかかりやすいので腰痛を患いやすいので重点的にマッサージしてあげるといいでしょう。このように、自分の愛犬の体の状態をしっかりと把握して気持ちいいと感じる部位を探してあげるといいと思います。
苦手な部位
反対に、触られるのが苦手な部位として足先や耳先、尻尾など神経が集まっている“先端部”が挙げられます。体の隅々まで触れるようにすることも大切ですが、嫌がる場合には無理に触らず、少しずつ慣らしていくようにしましょう。
③毛の流れに沿って優しく触る
犬のマッサージをするときは、できるだけ毛の流れに沿って体をなでたり触ったりするようにしましょう。犬は毛並みを逆立てるように撫でられると、不快に感じたり興奮しやすくなってしまったります。また、犬の気持ちを落ち着かせるためにも、なでるときはゆっくりとしたストロークを心がけましょう。
ちなみに、遊びやドッグスポーツ前など犬のテンションを高めたいときに、細かく早いストロークで毛を逆立てるようにワシャワシャとなでることもあります。しかし、マッサージのときにそれをされてしまうとリラックスできないので気をつけてくださいね。
まとめ
「犬のマッサージなんてむずかしそう…」「やり方がよくわかない」という飼い主さんの声を耳にすることは多くあります。確かに、本格的に犬の体の仕組みやツボ、リンパ、Tタッチなどについて学ぼうと思うと非常に複雑でむずかしい部分もあります。
しかし、家庭で行うマッサージで大切なことはたっぷりの愛情を伝えることと、心身をリラックスさせて疲れを癒してあげることだと思います。
そのために必要なことは、ここで解説してきた通りお互いにリラックスして、犬が本当に心地よいと感じる触れ方を考えることです。それは愛犬と心を通わせ、愛犬のことを熟知している飼い主さんだからこそできるものだと思います。あまり気負いすることなく、楽しみながらマッサージをしてみてくださいね。