愛犬の毛並みを良くするためにしてあげたいこと3選

愛犬の毛並みを良くするためにしてあげたいこと3選

少し意識してお手入れをすることで、ワンちゃんの毛並みはグンと美しくなります。外からだけでなく、内側からのケアも大切です。今回は犬の毛並みを良くするためにしてあげたい簡単なポイントをご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

毎日のブラッシング習慣

ブラッシングされるゴールデン

基礎的なことですが、美しい毛並みを保つには毎日のブラッシングが大切です。

ブラッシングの効果とは?

ブラッシングの効果は

  • 毛の絡まり(毛玉)を予防する
  • すでに抜けた毛を除去する
  • 毛や皮膚についたゴミを落とす
  • ノミやダニを発見できる
  • 血行を促進する
  • 皮膚の異常(フケ、皮膚が赤い、小さなハゲがあるなど)に早く気づける

などです。

毛玉ができてしまうと雪だるま式に毛のもつれがひどくなり、ハサミやバリカンで切り落とすしか除去する方法がなくなってしまいます。そうなると、一部だけ毛が短い状態になってしまいますので見た目もよくありませんし、毛玉がある状態や毛玉を切る時は場所によっては皮膚が引っ張られて愛犬が痛い思いをします。また、毛玉を放置してしまうと蒸れやすくなるため皮膚炎の原因になることもあります。

また、ブラッシングは毛の絡まりを防ぐためだけではなく、皮膚の血行を促進することで健やかな毛が生えるのを助ける役割もあります。毛の健康は皮膚から整えましょう。

毛ヅヤには獣毛ブラシが◎

一般的な犬のブラシには

  • ピンブラシ
  • スリッカーブラシ
  • ラバーブラシ
  • コーム
  • スクラッチャー(抜けた毛を除去するもの)

などの種類があります。目的や愛犬の毛の特徴に合わせて選ぶと良いでしょう。

これらのブラシのほか「獣毛ブラシ」というブラシがあります。
獣毛ブラシは馬や豚の毛でできているブラシで、毛のもつれを取るというよりは主にホコリやゴミなどを除去する目的で使用します。

獣毛ブラシは天然素材でできているため、静電気が起きにくいというメリットがあります。毛のパサつきが気になるワンちゃんにおすすめです。通常のブラシにプラスして獣毛ブラシを使用することで、毛ヅヤが保ちやすくなります。

上質なタンパク質を意識したごはん

ハートのお皿の食材4つ

毛や皮膚はタンパク質からできています。食事で良質なタンパク質が摂れていないと、きれいな毛を生やす力がなくなってしまいます。美しい毛並みのためには内側からのケアも欠かせません。

フードの原材料をチェックしよう

フードのパッケージには原材料の表記があります。これは、ほとんどの場合含まれている量が多い原材料を先にして、素材や添加物が記載されています。

犬のフードの中には、小麦やコーンなどの穀物が原材料の一番最初に記載されているものもあります。犬は雑食性が高く、、ある程度の量の炭水化物を栄養源として利用することができますし、タンパク源が植物由来であることに問題はありません。多くのフードに動物由来と植物由来両方の原材料が含まれていますが、動物性タンパク質と植物性タンパク質の両方から必要なアミノ酸ををしっかり摂取することが重要です。

タンパク質だけではなく、脂肪酸の種類と量も毛並みには関係してきます。オメガ3脂肪酸の適量の摂取が皮膚と毛の健康、美しさを高めてくれるようです。オメガ3脂肪酸の質と量に配慮したフードもたくさん売られていますし、サプリメントもあります。サプリメントを与える場合には、かかりつけの動物病院に相談して出してもらうと良いと思います。

「ヒューマングレード」もオススメ

「ヒューマングレード」とは、人間が食べられる品質の食材を使用しているフードのことです。健康な毛や皮膚のため、そして大切な愛犬の安心安全のためにヒューマングレードのフードを選ぶのも良いでしょう。現在販売されているドッグフードには安全性や品質などについての基準を定めたペットフード安全法が適用されるため、ヒューマングレードの素材を使っていないフードでも一定の基準を満たした製品となっています。しかし、出来るだけハイグレードのフードを与えたいと思っている、そのフードメーカーを信頼しているなどして、飼い主さんの予算に合うのであればヒューマングレードの素材を使ったフードを選ぶのも良いと思います。

また、「グレインフリー」のフードについては、穀物に対するアレルギーを持っているワンちゃん以外では穀物を避ける必要もないですし、グレインフリーではないから毛並みに悪いフードだということはありません。アレルギー性皮膚炎は治すことができない病気で薬や環境の整備で症状を抑えていくのですが、痒みや湿疹、脱毛などの症状が出るため毛並みが悪くなってしまいます。犬のアレルギー性皮膚炎は食物アレルギーの場合とアトピー性皮膚炎の場合があり、食物アレルギーの場合にも原因は小麦やトウモロコシなどの穀物以外にも、牛肉や鶏肉のこともあります。そのため、愛犬のアレルギーが心配という理由だけで「グレインフリー」の市販フードを選ぶことはもオススメできないそうです。

【食物アレルギーとフード選びについての補足】

 食物アレルギーが疑われる場合、きちんと検査を行ったり決められた方法に従った食物試験を行ったりすることで、診断とどのフードを与えるべきかの判断をすることになります。皮膚に何かしらの異常があり、「アレルギーかな?」と思ってグレインフリーやアレルギー対策とうたっているフードに替えた場合、たまたまそのフードが合っていて皮膚症状が改善することもあるかもしれません。しかし、それだけでは食物アレルギーを診断できませんし、穀物による悪影響がないのにグレインフリーのフードにこだわる必要はありません。皮膚症状や胃腸症状など、犬のアレルギーにも様々な症状がありますが、アレルギーを疑う場合にはアレルギーに詳しい動物病院を受診することをおすすめします。

獣医師:木下明紀子

シャンプーの技術や品質も重要

野外でシャンプーする犬

シャンプーも多くの製品があり、愛犬の肌質と毛質に合わないものを使うと皮膚や毛の油分を必要以上に取り過ぎてしまったり逆に余分な油分が残ったりしてしまうことがあります。油分を必要以上に取り過ぎてしまうと毛がパサパサになってしまうことがありますし、余分な油分が残ってしまうと臭いや皮膚炎の原因となってしまうことがあります。

肌を健康に保ち毛並みを美しく保つには、プロの手で正しくシャンプーとブローをしてくれるトリミングサロンを利用するという方法もあります。シャンプー後に肌と被毛をきちんと乾かすことも大事で、自宅でしっかりと乾かすことは難しいこともあるでしょう。生乾きの状態が長く続くと、これも臭いや皮膚炎の原因になってしまいます。

トリミングサロンでは正しくブローしながら乾かしてくれるため、仕上がりの毛ヅヤはとてもきれいです。品質が良くてさまざまな効能のあるシャンプーを取り扱っている店舗も多くありますので、トリマーさんとよく相談してみましょう。

シャンプー以外にも、皮膚や毛の保湿に効くローションやスポットオン剤、スプレー製品などがあります。愛犬の肌と被毛の性質、状態に合わせて使ってあげると良いでしょう。

バリカンで毛質が悪化することも?!

バリカンで刈られている犬

バリカンを使用して毛をカットしたことでトラブルが起こったケースもあります。

  • 毛が生えてこなくなった
  • 毛質が悪くなった(かたいはずの毛が柔らかくなった)
  • バリカン負けして皮膚に炎症が起こった

などの症状が出てしまった子がいます。

原因ははっきりとはしませんが、成長期にあった毛包がバリカンの刺激によって後退期へと変異してしまうとも言われています。バリカンによって毛が生えてこなくなった例では、なぜか「ポメラニアンに多い」という声もありました。

テリアでは、バリカンで毛をカットしてしまうと本来かたいはずの毛が柔らかくなってしまうことがあるそうです。毛質が変わってしまった場合は、バリカンを使わずにハサミでカットしたりテリアに行う独特のトリミング法でお手入れしてあげたりすると徐々にもとに戻ることもあるそうです。毛質が変わってしまうだけなら健康に問題はありませんが、その犬本来の姿にこだわりたい方は、バリカンを使っても問題ないのか、その犬に適したカット法は何なのかを知っておく必要がありますね。また、バリカンは慣れていない人が使うのは意外と難しいものです。バリカンによるトラブルを起こさないために、飼い主さんが自分でバリカンを使う場合には、トリマーさんに使い方やコツを教えてもらうのも良いでしょう。

【ポメラニアンの脱毛についての補足】

 脱毛が見られる病気には、皮膚病やホルモン異常による病気など多くのものがありますが、その中に「アロペシアX(エックス)」と呼ばれる健康には影響のない見た目だけの問題である病気があります。ホルモンバランスの異常によると考えられていますが、原因が分かっていないので「X」と付いています(アロペシアは、英語で脱毛という意味です)。いわゆる北方犬種と呼ばれる犬種(ポメラニアンやハスキーなど)やスピッツ、プードルで見られますが、特にポメラニアンで多く見られ、ポメラニアン脱毛症やポメハゲと言われることもあります。アロペシアXとバリカンによるカットが直接関係するかは分かりませんが、バリカンでサマーカットにした後毛が伸びず、新しい毛も生えてこない場合、アロペシアXである可能性があります。アロペシアXは「痒みがない」「手足、足先は毛が生えている。胴体としっぽの毛が抜ける」「皮膚が黒ずんでくる」を特徴としています。ただし、アロペシアXであると診断するためには他の病気がないことを調べないといけませんし治療が必要な脱毛を引き起こす病気は多くありますので、異常な脱毛が見られた場合は動物病院を受診してください。

獣医師:木下明紀子

まとめ

ロングヘアのマルチーズと白い紫陽花

美しい毛並みを保つには、日頃のブラッシングやシャンプーのほかにフードの見直しも重要です。毛並みは見た目の良さだけでなく健康状態を表していることもありますので、外側だけでなく内側のケアも重要なのです。毛は抜けなくても、以前より毛がパサつくということがある病気の症状であることもあります。

そして、シャンプーやブローなどの外側からのケアはトリミングサロンのプロの手に任せると安心かもしれません。ご自宅で行う場合は、シャンプーの品質や生乾きなどに注意しながら行いましょう。

みなさんもぜひ、愛犬の毛並みのケアを始めてみませんか?

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