犬にお魚を与えるときのポイント
お魚が好きな動物といえば猫ですが、犬だってお魚を好んで食べます。
ドッグフードにも、タンパク源として魚を使っているものがあります。また、お魚からはEPAやDHA(不飽和脂肪酸)といった栄養素を摂取することもできます。
美味しいお魚を食べたのに、その後体調を崩しては、せっかくの楽しみが台無しです。
まずは、犬にお魚を与える場合に気をつけたいポイントを確認しましょう。
塩分
塩分の取りすぎは様々な病気の元です。
お魚を与えるときは、干物や塩焼きなど塩分が多いものは避けましょう。
ドッグフードを主食にしている犬は、ドッグフードから毎日必要なだけの塩分を摂取しています。そこに、更に塩味の効いた魚を与えてしまうと、明らかに塩分過剰です。
例えば、味付けをしていないアジの塩分量は0.3gですが、干物にすると1枚で1gほどの塩分が含まれています。
5kgの犬の一日当たりの塩分必要量約0.5gであることから見ても、これだけの塩分が含まれているものは、犬の食事には適しません。
犬に魚を与える際は、味付けはせずに、お魚本来の美味しさを楽しんでもらいましょう。
寄生虫
魚による寄生虫で、最も有名な寄生虫がアニサキスです。
アニサキスは2~3cmの糸状の虫です。万一生きたアニサキスを口にしてしまうと、犬の場合でも人の感染と同様に、激しい腹痛・悪心・嘔吐を起こす可能性があります。
アニサキスは加熱することで死滅しますので、犬に魚を与える際には加熱調理してから与えましょう。感染の心配はなくなります。
犬に細かく噛んでもらうのは難しいので、どうしても生の刺身をあげたい場合は、小さく切ってから与えましょう。
骨
犬が魚を食べるときに、人のように骨に気をつけるということはありません。
小さな骨も、人が食べないような大きな骨も丸呑みしてしまいます。
多くの場合、消化されて犬には何の問題も起こらないのですが、運悪く、口内や食道に刺さり、動物病院で治療を受けるような場合があります。
魚の骨は、できるだけ取り除いてから与えましょう。
アレルギー
初めて食べる食材を与えるときには、それが何であれアレルギーを起こさないか注意してあげましょう。
最初は一口分で様子をみて、変わった様子がなければ、徐々に増やします。
アレルギー症状の多くは食後1~2時間で表れます。
皮膚のかゆみや、消化器症状が見られた場合は、そのお魚は与えない方がいいでしょう。
犬に食べさせたい秋が旬のお魚
1.秋刀魚(さんま)
秋の魚の代表格である秋刀魚からは、不飽和脂肪酸であるDHAとEPAを摂ることができます。
これらの栄養素は、DHAが悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きをしたり、EPAが血液をサラサラにしてくれたりするということで知られています。
そして、秋刀魚はビタミンB12を多く含んでいます。ビタミンB12は血液を作るときに必要になるビタミンです。
犬に秋刀魚を与える際には、味付けはせずによく焼いて、細かい骨は取り除いて与えましょう。
2.鰹(戻りがつお)
秋に南下してくる鰹で、低い海水温の影響で脂が乗っており、味も濃厚です。
特に血合い肉には、鉄分やタウリン、EPA、DHAなど健康を増進する栄養が豊富に含まれているため、取り除かずに与えると良いでしょう。
犬に鰹を与える際には、味付けせずに茹でる、蒸す、焼くといった調理法にしましょう。
付け合わせの薬味と一緒に販売されていることもありますので、薬味が犬の口に入らないように注意しましょう。
鰹節は、犬にとっては塩分・ミネラルが多すぎるので、与えないようにしましょう。
3..鮪(メバチマグロ・ビンチョウマグロ)
赤身は脂が少なく、高タンパクなのに対して低カロリーです。
対して、トロは赤身の20倍もの脂を含む高脂肪食品です。脂肪には良質の不飽和脂肪酸が多く含まれており、特にDHAは魚類の中で最も多く含まれています。
鮪は小型のビンチョウマグロでも40㎏ほどの大型の魚です。
人間と同様に、犬が食べ過ぎると中枢神経に障害を与える可能性があります。このため、犬に与える場合には、オヤツ程度の量に控えましょう。
鮪は生で与えても問題ないと言われている食材ですが、新鮮であるか、骨はないかなどを確認し、心配なときには加熱してから与えましょう。
まとめ
お魚を愛犬と食べるときには、基本的に加熱調理を行い、骨を除いてから与えるようにしてください。自分たちの食事の分から、一部を味付けせずに、愛犬用にすると、用意も簡単です。
秋は、お魚に限らずいろいろな食べ物が美味しい季節です。
愛犬の体調にも気をつけながら、秋のお魚を楽しんでみませんか?